スズサイコ（読み）すずさいこ

日本大百科全書(ニッポニカ)

スズサイコ
すずさいこ / 鈴柴胡
[学] Vincetoxicum pycnostelma Kitag.
Cynanchum paniculatum (Bunge) Kitag.

ガガイモ科（APG分類：キョウチクトウ科）の多年草。茎は高さ0.4～1メートル。葉は対生し、長披針(ひしん)形から線状披針形である。7～8月、葉腋(ようえき)から花柄を出し、集散状に黄褐色の5弁花をまばらに開く。袋果(たいか)は狭披針形で長さ5～8センチメートル。丘陵帯から山地帯のススキ草原に生え、北海道から九州、および朝鮮半島、中国などに分布する。名は、花のつぼみが鈴に、葉がセリ科のミシマサイコに似ることによる。

［高橋秀男　2021年6月21日］

[参照項目] | ミシマサイコ

スズサイコ〔標本画〕

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

スズサイコ(鈴柴胡)
スズサイコ
Cynanchum paniculatum; dog's bane

ガガイモ科の多年草。アジア東部の温帯に広く分布し，日本では各地の山野の日当りのよい草原に生える。多数の根が地下茎からひげ根状に出る。茎は高さ 50～100cmの細長い円柱形で直立する。長さ 10cm前後の線状披針形で先のとがった全縁の葉が対生する。夏に，茎の先端および上部の葉腋から花柄を出し，淡黄緑色の星形の小花をまばらにつける。和名はつぼみの形が鈴に似て，植物体全体がセリ科のミシマサイコ (三島柴胡)に似ていることによる。

出典　ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典