日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ステップ・バイ・ステップ交換
すてっぷばいすてっぷこうかん
step by step switching
電話交換の一方式。1891年アメリカのストロージャーAlmon B. Strowgerにより原理が考案され、自動交換方式の始まりとなった。制御方式は、加入者のダイヤル操作により発生するパルスを直接入力として1桁(けた)ずつ順々に処理して接続経路を選択する直接制御方式を採用している。したがって、1桁のダイヤル数字を受信し、その数字に対応した経路を選出し、さらに、そのなかから空いている出線を選択するスイッチが基本となり、このようなスイッチが多数集められて交換機が構成されている。
日本では、1926年(大正15)よりA形(ストロージャー式)とH形(ジーメンス式)の2種類のステップ・バイ・ステップ交換機が導入されたが、その後クロスバー交換機(1955年よりサービス開始)や、電子交換機(1971年よりサービス開始)に設備更改がなされ、1987年(昭和62)に神奈川県の橋本局を最後にすべて廃止された。
[坪井 了]