電話交換機（読み）デンワコウカンキ（英語表記）switching system

デジタル大辞泉

でんわ‐こうかんき〔‐カウクワンキ〕【電話交換機】

⇒ピー‐ビー‐エックス（PBX）

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

でんわ‐こうかんき‥カウクヮンキ【電話交換機】

1. 〘 名詞 〙 多数の電話線を相互に交換接続する機械。手動交換機と自動交換機（クロスバー交換機、電子交換機、デジタル交換機など）がある。〔電気訳語集（1893）〕

出典　精選版 日本国語大辞典

日本大百科全書(ニッポニカ)

電話交換機
でんわこうかんき
switching system

電話機からの指示に基づいて電話回線を希望する相手方の電話機に接続する装置。多数の電話機が、通話する相手の電話機ごとにそれぞれ回線を用意すると、電話機の増加に伴い膨大な数の回線が必要になってしまう。そこで多数の電話機が回線を共有することで大幅に回線数を節約し、通話の必要なときだけ切り換えて接続することにより通信網の経済化を図ることが電話交換機の第一の目的である。

　1890年（明治23）に東京（加入数155）と横浜（加入数42）で磁石式交換機を使用して電話交換を行ったのが日本最初の電話交換である。そのころは、電話交換手が接続をする手動交換機だったが、以後、電話の需要の増大により通話量が増えたため、迅速、正確で、かつ通信の秘密が保持される自動交換機へと移り変わっていった。また、電話交換機を自動化することにより人件費を節約することができ、通信コストの低減に貢献した。第二次世界大戦以前はステップ・バイ・ステップ交換機、戦後から1960年代にかけてはクロスバー交換機が使われてきた。1970年代からは、切換えの制御にコンピュータを使用する電子交換機（通話信号はクロスバースイッチで切換え）が主流となった。

　1980年代に入ると伝送路のデジタル化が進展したため、デジタル伝送路とアナログ・デジタル変換を行わずに回線切換えの可能なデジタル交換機を用いることによって、通信網のコスト低減が図られた。同時に、デジタル交換では情報内容は音声に限らずデータや画像も扱うことができるため、多様な通信サービスも実現された。このことから、1980年代の初期から順次デジタル交換機への更新が進み、同時に伝送路もデジタル化が進み、日本では1997年（平成9）12月17日にすべての電話交換機、伝送路がデジタル化された。

［坪井　了・三木哲也］

[参照項目] | クロスバー交換機 | 電子交換機 | 電話

明治時代の電話交換局

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)

百科事典マイペディア

電話交換機【でんわこうかんき】

電話機相互の接続を行う機械。一部には共電式または磁石式等の手動交換機も用いられるが，ほとんど自動交換機が使用され，ステップ・バイ・ステップ式交換機が普及したが，番号の蓄積変換の可能なクロスバー交換機がこれに代わり，さらに電子交換機に代えられつつある。
→関連項目デジタル交換機｜電子交換機｜電話

出典　株式会社平凡社

世界大百科事典（旧版）内の電話交換機の言及

【電話】より

…現在，日本では約7000万台の電話機が使われており，これらは約5000局の電話交換機と有線，無線の多数の電話伝送システムによって相互に接続されている。世界全体には7億台に近い電話機が存在し，これらは国際回線網によって結合されて電話網と呼ばれる巨大な電気通信ネットワークを構成している。…

【電話交換】より

…電気通信網は通信端末，伝送路，交換機から構成されている。電話を対象とした通信網を電話網といい，電話網において使用される交換機を電話交換機という。電話網における電話交換機の役割は，電話機や中継回線間の接続切替えを行うスイッチング機能，電話網において相手電話機に至る中継経路の選択を行う経路選択機能，短縮ダイヤル，着信転送，会議接続，自動車電話などの移動体端末に対する追跡交換など，各種の電話交換サービスを実行する交換サービス実行機能，および障害処理や異常トラヒック発生時におけるトラヒック規制などを行う電話網管理機能などである。…

※「電話交換機」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」