ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ステファヌス8世」の意味・わかりやすい解説
ステファヌス8世(9世)
ステファヌスはっせい[きゅうせい]
Stephanus VIII (IX)
[没]942.10. ローマ
ローマ出身の第127代教皇(在位 939~942)。ドイツで教育を受け,聖シルウェステル・聖マルチヌス教会の司祭枢機卿(→カーディナル)となり,教皇レオ7世(在位 936~939)の死後,939年7月に教皇に選出された。ローマの事実上の独裁者であったスポレト公アルベリック2世が教皇座に対しても支配力をもち,教皇自身の意思ではほとんど行動できなかった。政治面では,カロリング朝末期の西フランク王ルイ4世(在位 936~954)を支持し,王に反逆する者は破門すると警告した。また,クリュニー修道院の院長オドのもと,修道生活の重要な改革を支援した。942年にオドをローマに呼び,反目し合っていたアルベリック2世とイタリア王ウーゴの間の和平交渉を依頼した。のちにアルベリック2世の不興を買って投獄され,まもなく死去した。
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