日本大百科全書(ニッポニカ) 「ストリューフェルス」の意味・わかりやすい解説
ストリューフェルス
すとりゅーふぇるす
Stijn Streuvels
(1871―1969)
ベルギー、フランドルの小説家。本名フランク・ラチュール。詩人ヘゼレの甥(おい)で菓子職人だったが、独学で文芸誌『フランドル』などに作品を発表後、文学活動に専念。代表作『亜麻(あま)の収穫期』(1907)はフランドルの農民の2世代にわたる闘争を描いた傑作。ゾラ、トルストイ、ゴーリキーに傾倒、天性の鋭利な直観力で自然と人生を描き出す。農村を舞台にした小説は宿命論、ペシミズムの色調が濃いが、後期には軽い筆致で生き生きと表現する作風に変わり、『亜麻色の髪のアルマ』(1931)などがある。『ウァーテルフック家の没落』(1927)は映画化された。1962年オランダ・ベルギー文学大賞を受賞。
[近藤紀子]