ストルミリン(英語表記)Strumilin, Stanislav Gustavovich

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ストルミリン」の意味・わかりやすい解説

ストルミリン
Strumilin, Stanislav Gustavovich

[生]1877.1.29. ダシコフツイー
[没]1974.1.25. モスクワ
ソ連の経済学者,統計学者。 1897年以来革命運動に参加し,流刑されたこともある。 1923年ソ連共産党入党。 21年以降モスクワ大学などの教職を歴任するとともに,21~37年,43~51年にゴスプラン副議長,幹部会員などの要職をつとめる。 31年以降ソ連科学アカデミー会員。ソ連経済学,統計学界の最長老の一人であった。研究活動は広範な分野にわたるが,特に国民経済計算と K.マルクス再生産表式との統合の試みで著名。しかし社会主義のもとでの価格形成原則として価値どおりの価格を主張した点や,社会主義下で一切の地代の存在を否定した点などで多くの批判を受けた。主著『富と労働』 Bogatstovo i trud (1905) ,『労働の経済学問題』 Problemy ekonomiki truda (25) ,『ソビエト経済概説』 Ocherki sovetskoi ekonomiki (28) ,『ロシアにおける産業革命』 Promyshlennyi perevort v Rossii (44) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ストルミリン」の意味・わかりやすい解説

ストルミリン
すとるみりん
Станислав Густавович Струмилин/Stanislav Gustavovich Strumilin
(1877―1974)

ソ連の経済学者、統計学者。早くから革命運動に参加し、投獄・流刑される。革命後はゴスプラン、中央統計局などで活躍するとともに、モスクワの諸大学で経済学、統計学、国民経済史などを講義した。1931年以降、ソ連科学アカデミー会員。『自伝』(1957)のほか、63~65年に主要論文を収録した主題別著作集全5巻が刊行された。各巻の表題は、(1)統計学と経済学、(2)計画戦線にて、(3)労働経済学の諸問題、(4)ソ連邦社会主義経済概説、(5)ソ連邦における社会主義と共産主義の諸問題、となっている。

[望月喜市]

『ストルミリン著『社会主義的計画化の用具としての国民経済バランス』『国民の生活状態の測定にかんする問題』『ソ同盟の国民経済バランス表式』(木原正雄訳『再生産と国民経済バランス論』所収・1956・有斐閣)』

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