六訂版 家庭医学大全科 「ストレス性赤血球増加症」の解説
ストレス性赤血球増加症
(血液・造血器の病気)
ストレスはさまざまな病気の原因になるといわれていますが、赤血球増加症のなかにもストレス性赤血球増加症と名付けられているものがあります。
実際には体内の赤血球の総数が多くないにもかかわらず、血液検査で赤血球数が増えているようにみえることがあります。このような見かけ上の赤血球増加(相対的赤血球増加症)を示すものとして、脱水症による血液の濃縮があります。
しかし、見かけ上の赤血球増加のなかには脱水症などの原因が見当たらないこともあり、このような場合をストレス性赤血球増加症と呼んでいます。
ストレス性赤血球増加症は、肥満体型で忙しい毎日を送っているヘビースモーカーの中年男性に多いといわれています。頭痛、めまい、耳鳴りなどの症状が現れる場合もあり、程度が重い場合には安静が必要になることもあります。さらに、高血圧、高脂血症、高尿酸血症などを合併していることも多く、注意が必要です。
多くのストレスを受ける現代社会ではありますが、過度のストレスは体のはたらきに多くの悪影響を及ぼすものであることを、もう一度認識することが重要です。
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報