スワトプルク(その他表記)Svatpluk

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スワトプルク」の意味・わかりやすい解説

スワトプルク
Svatpluk

[生]830
[没]894
大モラビア公 (在位 870~894) 。東フランク (ドイツ) と結んで叔父ロスティスラフの公位を簒奪。一時東フランクに抑留されたが,のち釈放。チェコ人の反ドイツ蜂起を指揮 (871~874) ,貢納義務と引替えに自治権を獲得。スロバキアボヘミアラウジッツ,シレジア (シュレジエン) ,小ポーランド,パンノニアを併合,880年西スラブ人の統一国家を実現した。東フランクの圧力下にビザンチンの布教士メトディオス (→キュリロスとメトディオス ) を拘禁 (870~873) ,その弟子たちを追放 (886) し,西スラブ人を決定的に西方教会に帰属させた。大モラビア国はスワトプルクの死後まもなく息子たちの権力争いとドイツ人の干渉で衰え,906年マジャール人の攻撃を受けて滅んだ。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

関連語 キュリロス

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android