化学辞典 第2版 「スワーン酸化」の解説
スワーン酸化
スワーンサンカ
Swern oxidation
ジメチルスルホキシド(DMSO)酸化の一種.低温で行うことができ,副反応も少ないことからアルコールの酸化に用いられる.第一級アルコールはアルデヒドに,第二級アルコールはケトンに酸化される.塩化メチレン中,塩化オキサリルとジメチルスルホキシドの混合により生じるスルホニウム塩が活性種となり,基質であるアルコールと反応してアルコキシスルホニウム塩となる.最後にトリメチルアミンを加えることにより,イリドを経てカルボニル化合物とジメチルスルフィドを与える.立体障害の大きいアルコールの酸化にも適しているが,炭素数の増加に伴う溶解性の低下が原因となり,収率が低下することがある.活性化剤として無水トリフルオロ酢酸などを用いることもある.同様のDMSO酸化にモファット酸化やコーリー-キム酸化などがある.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報