改訂新版 世界大百科事典 「スーバダール」の意味・わかりやすい解説 スーバダールṣūbahdār インドのムガル朝時代,州ṣūbahに置かれた地方長官。第3代皇帝アクバル時代に帝国は統治の体裁を整え,地方支配のため全土を12の州(のちに15)に分け,中央から長官を派遣した。初めはシパフ・サーラールsipah sālārといわれていたが,のちにはナージムnāẓimと呼ばれるようになった。地方統治一般をつかさどり,やはり州ごとに派遣され,徴税関係をつかさどったディーワーンdīwānと共同して州統治を行った。執筆者:小名 康之 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スーバダール」の意味・わかりやすい解説 スーバダールsūbahdār インド,ムガル帝国の州 sūbahの長官。アクバルは全土を 15の州に分けたが,のちに増加し,アウラングゼーブのときに 21州となった。皇帝が任免権をもち,州の軍,政両権を握り,そのもとに財務,主計,軍事,警察長官などをおいた。財務長官ディーワーンはしばしばスーバダールに対抗する力をもった。 18世紀に入ってムガル皇帝の力が衰えるとスーバダールは州の独裁権を握り,世襲化して次第に独立していった。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by