日本大百科全書(ニッポニカ) 「スーフリエール火山」の意味・わかりやすい解説
スーフリエール火山
すーふりえーるかざん
Soufrière
フランス語で「硫黄(いおう)山」の意で、西インド諸島東部の小アンティル諸島には硫気活動が盛んな同名の活火山が多い。(1)小アンティル諸島北部、フランスの海外県グアドループのバス・テール島にあり、安山岩質で、頂部に溶岩円頂丘を頂く成層火山。標高1467メートル。1400年を皮切りに、1977年までに十数回の活動(噴気激化ないし噴火)が記録されている。(2)小アンティル諸島南部、ドミニカ島にある安山岩の硫気地域。標高792メートル。有史以後も1880年に爆発したが、新溶岩は出さなかった。(3)小アンティル諸島南部、セント・ルシア島にある複式火山。カルデラ縁は610メートルで、内部に石英安山岩の八つの溶岩円頂丘(最高777メートル)があり、1902年の噴火以後も硫気活動が盛んである。外輪山は安山岩。(4)小アンティル諸島南部、セント・ビンセント島にある安山岩と玄武岩の成層火山。標高1220メートル。1718年を皮切りに1979年までに十数回噴火した。1902年の大噴火では山頂の火口湖が決壊し、大泥流で死者約1600人を出した。
[諏訪 彰]