日本大百科全書(ニッポニカ) 「セファイド型変光星」の意味・わかりやすい解説
セファイド型変光星
せふぁいどがたへんこうせい
星の明るさが変わる変光星の一種。ケファイド型変光星ともよばれる。星が膨張・収縮して大きさが変化し、その振動周期に応じて星の明るさが変わる脈動変光星である。セファイド型変光星には「変光周期が長いほど絶対等級(星の真の明るさを計るために約32.6光年離れたときの明るさと定義される)が明るい」という性質がある。この性質を利用して星までの距離を正確に測定できる。つまりセファイド型変光星の変光周期を観測して絶対等級を予測し、その絶対等級と見かけの等級を比較する方法で距離を推定する。この方法は年周視差による距離測定限界の1000光年より遠い星の距離測定に使われ、天文における距離測定の重要な手法である。このセファイド型変光星による距離測定の結果、アンドロメダ星雲(現在はアンドロメダ銀河とよぶ)が天の川銀河(銀河系)の外にあり、天の川銀河とほぼ同等の銀河であることがわかり、またほかの銀河との距離が測定できたことにより宇宙が膨張していることがわかった。
[編集部 2022年12月12日]