ソ連のSF作家エフレーモフのユートピアSF。1957年作。西暦3000年代の地球の未来社会と星間飛行を、マルクス主義に基づいて描く。この時代、地球は統一されて共通の言語を使い、衣食住の問題も解決し、砂漠や極地も改造されて、全人類は兄弟のように平和に暮らしている。一方、銀河系宇宙で知的生物が住む惑星は、互いに連絡をとり情報を交換して大宇宙連合を結成している。へびつかい座の惑星ジルダの調査に派遣された地球の宇宙船タントラ号は、その帰路、とある惑星で奇妙な円盤型宇宙船を発見するが、後日、この宇宙船は150万光年離れたアンドロメダ星雲から飛来したものであることが判明する。大宇宙は新しい植民地開拓の時代を迎えたのだ。
[厚木 淳]
『飯田規和訳『アンドロメダ星雲』(『世界SF全集22』所収・1969・早川書房)』
…最初の作品集《五つのポイント》(1944)で彼は,自分の科学的仮説を短編の形で表現しようとした。代表作は紀元3000年代の人類社会を描いた壮大なユートピア小説《アンドロメダ星雲》(1957)であり,これによって彼はソビエトSF界の第一人者となった。その他のおもな作品としては《星の船》(1947),《蛇座の心臓》(1959),《かみそりの刃》(1963),《丑の刻》(1969)などがある。…
※「アンドロメダ星雲」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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