朝日日本歴史人物事典 「セヴォス」の解説
セヴォス
生年:生年不詳
明治期に来日したフランス人鉱山技師。1856年サン・テチエンヌ鉱山学校を卒業後,フランス各地で溶鉱炉技師を勤め,明治3(1870)年1月17日生野銀山首長で先輩のコワニェの推薦で来日した。地質専門家として月570円もの高給で雇われ,生野では主に鉱石の調査や分析に当たった。着任してすぐに25歳になる竹田屋きよが奉公にきて,ふたりの間に男の子が生まれた。このため,きよは生野を追われ,セヴォスもまた7カ月の幼児を残し4年9月30日自分の写真を一葉置いて日本を去るはめになった。帰国後,フレイザン鉄工場に入社し技術指導をし,さらに1894年にスペインの工場で要職につき,当地で死去。
(澤護)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報