改訂新版 世界大百科事典 「ソルブ語」の意味・わかりやすい解説
ソルブ語 (ソルブご)
Sorbian
スラブ語派の西スラブ諸語に属する言語。ベンド語Wendischあるいはラウジッツ語Lausitzischともいう。旧東ドイツ南東部,シュプレー川の上流地帯で話され,言語人口は10万内外といわれている。この言語はかつてドイツ東部に広く存在していた言語のなごりで,この言語の話し手はドイツ語との二重言語使用者が多い。ドイツ化の嵐にさらされており,ソルブ人地域でも都市はすでにドイツ化している。方言の差はかなり大きく,第2次世界大戦後この言語の存在が公認されたとき,上(かみ)ソルブ語(高地ソルブ語)と下(しも)ソルブ語(低地ソルブ語)の二つの文語を成立させている。文字はラテン文字を使い,両者ともドイツ語の影響を強く受けているが,上ソルブ語にはチェコ語からの借用も多い。
執筆者:千野 栄一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報