それなり

精選版 日本国語大辞典 「それなり」の意味・読み・例文・類語

それ‐なり

  1. 〘 名詞 〙 ( 「なり」は、そのままの意。副詞的にも用いる )
  2. 物事状態様子が、そこに示されているままで変わらないこと。その状態のまま。
    1. [初出の実例]「俺は此一通を口に銜へて居る程に、夫(ソレ)成に殿様御目に懸けいよ」(出典歌舞伎幼稚子敵討(1753)六)
    2. 「お糸ちゃんはもう其れなり向うの人になっちまふんだらう」(出典:すみだ川(1909)〈永井荷風〉二)
  3. それはそれとして。それ相応に。
    1. [初出の実例]「其なりに生れた人の心で、温然としてにこやかにほけやかな、人をあしう思はぬ様に」(出典:仁説問答師説(1688‐1710)宝永三年講)
    2. 「稽古会も止めるなら止めるやうに一遍其れなりの会合をしようぢゃありませんか」(出典:杏の落ちる音(1913)〈高浜虚子〉一一)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android