1992年に登録された世界遺産(文化遺産)。ソロヴェツキー諸島は、ロシア北西部の白海、オネガ湾入り口付近に浮かぶ島々。現在は、ロシアのアルハンゲリスク州に属している。同諸島最大の島であるソロヴェツキー島には15世紀前半にロシア正教の修道院が建てられ、16世紀後半には大きな勢力となり、やがてロシア正教を代表する聖地となった。現在残っている修道院の主要な建物と教会はイワン4世(雷帝、在位1533~1584年)の時代の初めに建てられた、石造の建造物である。ここの修道士たちは頑なに信仰を守り、ロシア皇帝の代理人を追放したことが原因で、17世紀にモスクワ大公アレクセイによる包囲攻撃を受け、多数の修道士たちが殺害された悲劇の歴史を持つ。その後ロシアの帝政期を通じて、修道院は強固な要塞としてさまざまな戦乱をくぐり抜けてきた。1917年のロシア十月革命後、この島には旧ソ連初の強制収容所が置かれ、1929年には刑務所が設置されたが(1939年に閉鎖)、その後ソ連の北方艦隊の根拠地の一つとなった。1974年、ソロヴェツキー諸島には歴史・建築博物館が建てられ、自然保護区に指定された。◇英名はCultural and Historic Ensemble of the Solovetsky Islands