タイリクバラタナゴ(その他表記)Rhodeus ocellatus ocellatus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タイリクバラタナゴ」の意味・わかりやすい解説

タイリクバラタナゴ
Rhodeus ocellatus ocellatus

コイ目コイ科の淡水魚。全長 6cmになる。体はやや延長し,側扁する。口ひげはない。側線は不完全。雄の尾鰭の中央に細長い赤色斑がある。観賞魚。原産地はアジア大陸東部と台湾で,日本へは 1940年代に中国のチャン(長)江からハクレンなどに混入して移殖された。以来,全国的に分布を広げている。日本の固有亜種であるニッポンバラタナゴ R.o.kurumeus は中部地方と西日本に分布する。タイリクバラタナゴの腹鰭の前縁は白色を呈するが,ニッポンバラタナゴでは白線は不明瞭である。ニッポンバラタナゴは外来種であるタイリクバラタナゴと交雑することがあり,近年ニッポンバラタナゴの純系が激減,保存が急務とされている。

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世界大百科事典(旧版)内のタイリクバラタナゴの言及

【タナゴ(鱮)】より

…マタナゴとは体の細長いグループで,大部分はヤリタナゴ,それに少数のタナゴ(和名)とアカヒレタビラA.tabiraが含まれる。オカメタナゴとは体高の高いグループを指し,第2次世界大戦前はゼニタナゴのことであったが,戦後は移殖種のタイリクバラタナゴR.ocellatus ocellatus(イラスト)がこれに入れ代わっている。タイリクバラタナゴは戦時中に長江(揚子江)からソウギョの種苗に混じって輸入され,利根川水系に爆発的に繁殖したものである。…

※「タイリクバラタナゴ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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