改訂新版 世界大百科事典 「タシロマメ」の意味・わかりやすい解説
タシロマメ
ironwood
Intsia bijuga(Colebr.)O.Ktze
高さ30mに達するマメ科の常緑高木。花は蝶形とならずバラに似た形で,ジャケツイバラ亜科に属する。和名は田代豆で,沖縄・台湾植物研究の先駆者であった田代安定を記念したもの。葉は羽状複葉で,互生し,4枚の小葉がある。小葉は楕円形,革質で長さ5~10cm,無毛。8月に枝先に円錐花序をつくり,多数花がつく。花弁は1枚だけが発達し,長さ約1cm,白色または淡紅色,おしべは3本。果実は大型で扁平,長楕円形,長さ20~25cm,幅5~7cm,革質で無毛。石垣島,西表島に自生し,ポリネシア,カロリン諸島,マレーシア,マダガスカルに広く分布する。材は重硬で,家具や建築材とされる。虫害を受けにくく,耐久性もよい。
執筆者:大橋 広好
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報