日本大百科全書(ニッポニカ) 「ただれ目」の意味・わかりやすい解説
ただれ目
ただれめ
まぶた(眼瞼(がんけん))の皮膚炎である眼瞼縁炎や眼瞼湿疹(しっしん)の総称とみられる俗称。まぶたの縁が腫(は)れたり、充血したり、皮がむけてきたりして、その部分にかさぶたや膿疱(のうほう)、鱗屑(りんせつ)などができ、痛がゆい。原因としては、黄色ブドウ球菌やモラー・アクセンフェルドMorax-Axenfeld桿(かん)菌などの細菌感染、いろいろな刺激による脂腺(せん)の分泌過多、化粧品(アイシャドー、アイライナー、マスカラなど)によるかぶれなど、さまざまである。衛生状態の向上とともに重症例は少なくなってきたが、不良な国では依然として多い。
治療は、適切な薬剤を用いることも必要であるが、一方ではよく手や顔を洗って清潔を保ち、無用な刺激を避けるほか、ビタミンの欠乏をおこさないように偏食をしないことなどが、治療ばかりでなく予防ともなる。再発しやすく慢性になりやすいので、つねに早めに対処することも重症にならないための心得の一つである。
[大島 崇]