化学辞典 第2版 「タングステンカルボニル」の解説
タングステンカルボニル
タングステンカルボニル
tungsten carbonyl
W(CO)6.ヘキサカルボニルタングステンともいう.塩化タングステン(Ⅳ)をCO存在下で還元してつくる.空気中で安定な白色の結晶.真空中で昇華し,空気中で熱すると100 ℃ で分解する.エタノール,エーテルに難溶.COはW原子のまわりに正八面体に配位し,W-C0.206 nm.種々のドナー原子をもつ配位子および不飽和炭化水素でCOを一部置換することができる.還元によりクロムカルボニルと同種の錯体をつくる.短寿命であるがW(CO)5の存在も知られている.[CAS 14040-11-0]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報