タンザン鉄道(読み)タンザンてつどう(その他表記)Tanzam Railway

改訂新版 世界大百科事典 「タンザン鉄道」の意味・わかりやすい解説

タンザン鉄道 (タンザンてつどう)
Tanzam Railway

東アフリカ,タンザニアのダル・エス・サラームからザンビアのカピリ・ムポシまで,延長1859kmの鉄道ローデシア白人政府の一方的独立宣言(1965)に対抗して,ローデシアを通らずにザンビアの銅を搬出するために計画された。1970年にタンザニア,ザンビア,中国の三国間で協定書が調印され,中国の援助により建設された。鉄道建設費と機関車・車両購入費の総額約4億5000万ドルは無利子借款によりまかなわれ,約2万5000人の中国人と5万人の現地アフリカ人の労働が投下されて,75年10月23日に正式に竣工した。軌道幅は1067mm(狭軌)で,300の橋梁と23のトンネルがある。鉄道の運営はタンザニアとザンビア両国政府共同所有の公社が行っている。
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関連語 吉田

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タンザン鉄道」の意味・わかりやすい解説

タンザン鉄道
タンザンてつどう
Tanzam Railway

タンザニア東部のダルエスサラームとザンビア中部のカピリムポシを結ぶ鉄道。中国の援助で 1970年 10月着工,75年 10月完成。ザンビアの鉄道の軌道幅に合せ,同国を,当時人種差別の白人政権であったローデシア (現ジンバブエ) の鉄道への依存から解放したのでグレートウフルレールウェー Great Uhuru Railway (ウフルはスワヒリ語で「自由」の意) とも呼ばれる。全長 1860km。うち 970kmがタンザニア領内にある。ザンビアの銅のほとんどがこのルートで輸出され,タンザニア側でも未開発地域に運輸の便が生じ,南西部の鉄鉱石,石炭埋蔵地帯への支線建設も計画されている。

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