日本大百科全書(ニッポニカ) 「スワヒリ語」の意味・わかりやすい解説
スワヒリ語
すわひりご
Kiswahili
Swahili
アフリカ東海岸で話されていたバントゥ(バントゥー)系のある言語に、季節風に乗って海路交易にやってきたアラブ人の言語の影響が加わって形成された広域共通語。タンザニア、ケニア、ウガンダ、コンゴ民主共和国(旧ザイール)東部などで話され、話し手人口数千万人に達するブラック・アフリカ最大の言語の一つである。ただし、その話し手の多くは各自の部族語を母語とする人々である。言語的には、名詞がかなりの数のクラスに分かれ、どのクラスに属するかで修飾する形容詞などの形の一部が異なるなどバントゥ語としての特徴を保持し、身近な語彙(ごい)もおおむねバントゥ起源である。母音は五つで、アクセントは一型化している。地域によってかなりの方言差が認められる。
[湯川恭敏]
『和崎洋一編『スワヒリ語・日本語辞典』(1980・養徳社)』