ダシャクマーラチャリタ(読み)だしゃくまーらちゃりた(その他表記)Daśakumāracarita

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ダシャクマーラチャリタ」の意味・わかりやすい解説

ダシャクマーラチャリタ
だしゃくまーらちゃりた
Daśakumāracarita

7世紀ごろのインドの小説作家ダンディン作のサンスクリット伝奇小説。『十王子物語』と訳される。グナーディヤの『ブリハットカター』に取材し、王子宰相の子ら10人の冒険奇談を主題とし、中世インドの社会を描いて興味深い作である。現存の3編14章のうち、前編5章と後編1章は後世補遺である。

[田中於莵弥]

『田中於莵弥・指田清剛訳『十王子物語』(平凡社・東洋文庫)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ダシャクマーラチャリタ」の意味・わかりやすい解説

ダシャ・クマーラ・チャリタ
Daśakumāracarita

インドの伝奇小説。邦訳名『十王子物語』。7世紀頃の詩人ダンディン作。サンスクリット語高度に修飾された美文体で書かれている。

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世界大百科事典(旧版)内のダシャクマーラチャリタの言及

【ダンディン】より

…生没年不詳。伝記は明らかでないが,散文の伝奇小説《ダシャクマーラチャリタDaśakumāracarita(十王子物語)》の作者として名高い。この物語は10人の貴公子たちの冒険奇談を主題とし,興味深い多くの挿話を含み,中世インドの社会状態を詳しく描写しているので,風俗小説とか悪党小説などとよばれている。…

※「ダシャクマーラチャリタ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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