日本大百科全書(ニッポニカ) 「ダッシン」の意味・わかりやすい解説
ダッシン
だっしん
Jules Dassin
(1911―2008)
アメリカの映画監督。コネティカット州ミドルタウン生まれ。舞台俳優、演出家、放送作家を経て、1940年ハリウッド入り、1942年監督となる。いわゆるセミ・ドキュメンタリー映画『真昼の暴動』(1947)、『裸の町』(1948)で第一線にたつ。ロケーション撮影を駆使した生々しい現実描写はその後も彼の映画の特徴となり、「赤狩り」に巻き込まれてヨーロッパに逃れたあとも、『街の野獣』(1950)、『男の争い』(1955)、『宿命』(1957)、『掟(おきて)』(1958)など力作を発表してリアリストとしての厳しい態度を保持した。その後は、妻のギリシア女優メリナ・メルクーリ(1920―1994)を主演に『日曜はダメよ』(1960)、『トプカピ』(1964)、『女の叫び』(1979)などを手がけた。自作に俳優としても出演。
[宮本高晴]
資料 監督作品一覧
再会のパリ Reunion in France(1942)
幽霊は臆病者 The Canterville Ghost(1944)
真昼の暴動 Brute Force(1947)
裸の町 The Naked City(1948)
深夜復讐便 Thieves' Highway(1949)
街の野獣 Night and the City(1950)
男の争い Du rififi chez les hommes(1955)
宿命 Celui qui doit mourir(1957)
掟 La legge(1958)
日曜はダメよ Pote tin Kyriaki(1960)
死んでもいい Phaedra(1962)
トプカピ Topkapi(1964)
夏の夜の10時30分 10:30 P.M. Summer(1966)
夜明けの約束 Promise at Dawn(1970)
女の叫び Kravgi gynaikon(1979)
レッスン・イン・ラブ Circle of Two(1980)