1990年に登録されたギリシアの世界遺産(文化遺産)。いずれも、東ローマ(ビザンチン)帝国時代に建設されたギリシア正教(正教会)の修道院である。ダフニ修道院は首都アテネから約11kmの郊外にある。創建は1080年頃で、聖堂中央にビザンチン時代中期のモザイク画が残る。城壁の石造技術やモザイク画のイコン(聖画像)は、ギリシアでも屈指のビザンチン文化の芸術作品とされている。オシオス・ルカス修道院は、デルフィの東方にあり、10世紀の聖人ルカ(オシオス・ルカス)のために11世紀に建設されたと考えられているビザンチン様式のドームを持つギリシア十字式聖堂で、主聖堂とテオトコス聖堂が残されている。主聖堂内部にはクレタの画家ダマスキノスが描いたイコンがある。ネア・モニ修道院は、東エーゲ海のヒオス島にあり、11世紀にビザンチン帝国皇帝コンスタンティヌス9世が修道士ニケタスとヨアンニスのために創建したもので、聖母マリア図で有名である。◇英名はMonasteries of Daphni, Hosios Loukas and Nea Moni of Chios