ダブルベース推進薬(読み)ダブルベーススイシンヤク

化学辞典 第2版 「ダブルベース推進薬」の解説

ダブルベース推進薬
ダブルベーススイシンヤク
double base propellant

ニトロセルロースを,ほぼ同量のニトログリセリンのなかにコロイド状に分散させて硬化させた均質系固体推進薬で,主としてロケット弾や小型ミサイルなどの戦術兵器に用いられる.最近は,ニトログリセリンのかわりにトリエチレングリコールジニトラートやトリメチロールエタントリニトラート(2-(ヒドロキシメチル)-2-メチル-1,3-プロパンジオール=トリニトラート)が登場し,ニトロセルロースも径5~6 μm と微粒子にする技術が進み,製造作業性の向上と比推力の増加がいちじるしい.この推進剤には,ステアリン酸鉛など燃焼圧によって燃焼速度がほとんど変わらない燃焼触媒が見いだされており,厳しい軍事的要求に応じている.また,前記基本成分に過塩素酸アンモニウムアルミニウム粉を加えたコンポジットモディファイドダブルベースとよばれる高性能推進薬がある.ダブルベース推進薬の組成一例をあげると,ニトロセルロース(13.25% N)51.5%,ニトログリセリン43.0%,ナフタル酸ジエチル3.25%,エチルセントラリット1.0%,硫酸カリウム1.25%,カーボンブラック0.2%,ワックス0.08% があり,これは押出成形法によってつくられる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む