硫酸カリウム(読み)りゅうさんかりうむ(英語表記)potassium sulfate

日本大百科全書(ニッポニカ) 「硫酸カリウム」の意味・わかりやすい解説

硫酸カリウム
りゅうさんかりうむ
potassium sulfate

硫酸のカリウム塩。硫酸カリともいう。天然にはアルカナイトとして産出する。工業的には、カイナイトMgSO4・KCl・3H2O、ピクロメライトMgSO4・K2SO4・6H2O、キーゼライトMgSO4・H2Oなどの水溶液に塩化カリウムを加え、蒸発濃縮によって分離する方法で製造される。精製するには水から再結晶する。無色の結晶。結晶には二つの変態があり、斜方晶系は低温型で、587℃で六方晶系の高温型に転移する。水には溶けるがアルコール、アセトン、二硫化炭素などには溶けない。カリウムミョウバンや臭化カリウムなどカリウム化合物の製造原料となるほか、ガラス工業の原料、医薬品などの用途があるが、カリ肥料としても重要なものである。ほとんど無臭で、各種の肥料と配合することができる。肥効は速効性で、硫安、過リン酸などとともに基肥となる。

[鳥居泰男]


硫酸カリウム(データノート)
りゅうさんかりうむでーたのーと

硫酸カリウム
  K2SO4
 式量  174.3
 融点  1069℃
 沸点  1689℃
 比重  2.67(測定温度18℃)
 結晶系 斜方
 屈折率 (n) 1.4947
 溶解度 11.11g/100g(水20℃)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「硫酸カリウム」の意味・わかりやすい解説

硫酸カリウム
りゅうさんカリウム
potassium sulfate

化学式 K2SO4 。無色結晶。空気中では安定。比重 2.66,融点 1067℃。水に可溶,アルコールに不溶。カリ肥料として重要であるが,塩化カリウムに比べて高価である。しかし肥料用としては吸湿性その他の関係から,本塩が歓迎されている。その他カリミョウバン,炭酸カリウム,ガラスなどの製造に使われる。

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