ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ダルデンヌ兄弟」の意味・わかりやすい解説
ダルデンヌ兄弟
ダルデンヌきょうだい
Dardenne brothers
(弟) リュック Luc 1954.3.10. アウィール～
ベルギーの映画監督。労働者階級の人々が抱える問題を写実的に描く手法で知られる。監督に加え，脚本，制作を手がける。製鉄所で知られ失業者のあふれる炭鉱地帯スランで育つ。兄のジャン＝ピエールはブリュッセルで演技を学び，弟のリュックは哲学の学位を取得した。1970年代から数々のドキュメンタリー映画を制作し，1975年に制作会社デリーブを設立。初のフィクション『ファルシュ』Falsch（1986），『あなたを想う』Je pense à vous（1992）を制作した。1994年事業を拡大し，制作会社レ・フィルム・デュ・フルーブを設立した。『イゴールの約束』La Promesse（1996）はアートシアター系の映画館で絶賛され，出世作となった。1999年には，貧困から逃れるため職探しに奔走する少女を淡々と描いた『ロゼッタ』Rosettaでカンヌ国際映画祭の最高賞パルムドールを受賞。続いて 2002年に『息子のまなざし』Le Filsを発表し，2005年には『ある子供』L'Enfantで 2度目のパルムドールを受賞した。カンヌ国際映画祭ではほかに，『ロルナの祈り』Le Silence de Lorna（2008）で脚本賞を，『少年と自転車』Le Gamin au vélo（2011）で審査員特別グランプリを受賞した。
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