ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ダートムア台地」の意味・わかりやすい解説 ダートムア台地ダートムアだいちDartmoor イギリス,イングランド南西部,デボン県の南部にある台地。南北約 37km,東西約 32kmにわたる花崗岩の台地で,ヒース地帯や湿地帯が広がる荒涼とした景観を示す。平均標高約 500mであるが,ところどころにトア torと呼ばれる岩峰がそびえ,北西部にあるイェストアは標高 619mに達する。ダート川,ティーン川,エーボン川などの水源地で,これらの河水の多くは貯水池に蓄えられ,デボン県諸都市に上水として供給される。中世にはスズの採掘が盛んで,この地方の重要な輸出品となっていた。今日ではカオリン,花崗岩などが切り出される。プリンスタウンのほか小集落がいくつかある程度で,人口はきわめて少なく,おもにウマ,ウシ,ヒツジなどの放牧地として利用され,ダートムア・ポニーの原産地として知られる。1951年ダートムア国立公園(面積 945km2)に指定され,観光業も重要。その野趣豊かな自然景観は,アーサー・コナン・ドイルのミステリー小説『バスカビル家の犬』The Hound of the Baskervilles(1902)の舞台となった。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by