カオリン(読み)かおりん(英語表記)kaolin

翻訳|kaolin

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カオリン」の意味・わかりやすい解説

カオリン(鉱物)
かおりん
kaolin

カオリナイトkaolinite、ディック石dickite、ナクル石nacriteの三つの鉱物総称。以上の三つにメタハロイサイトmetahalloysite、ハロイサイトhalloysiteを加えたものをいう場合がある。ディック石(単斜晶系)、ナクル石(単斜晶系)は外観上、カオリナイトと区別できない。ディック石、ナクル石は火成岩火砕岩の熱水変質鉱物として産する。カオリン粘土として広い用途があり、日本でもカオリン鉱床として古くから採掘されている。

松原 聰]


カオリン(日本薬局方名)
かおりん
kaolin

中国の西安(せいあん)北東部にある高陵に産する天然産含水ケイ酸アルミニウムで、日本薬局方名。白色ないし類白色の砕けやすい塊、または粉末で、わずかに粘土様のにおいがある。化学的にはきわめて安定なもので、水に難溶である。水に潤すと暗色を帯び、可塑性となる。吸着剤として腸の異常発酵による下痢などに内用するほか、賦形剤にも使われ、消炎剤としてパップ剤の形で盛んに用いられる。また、精製カオリンは化粧品の原料としても用いられる。

[幸保文治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カオリン」の意味・わかりやすい解説

カオリン
kaolin; china clay

高陵土 (白陶土) ともいう。岩石中の長石分解でできた残留粘土で,一般に白色。主成分はカオリナイト Al2O3・2SiO2・2H2O またはハロイサイト Al2O3・2SiO2・4H2O である。水で練ると可塑性を生じ,乾燥すると強度が出る。 330℃以上で脱水し,溶融温度が高く,粘土中の最高耐火物。ハロイサイトは反応性に富み,硫酸アルミニウムの原料となる。陶磁器,セメント,ゴム,リノリウム,製紙,クレヨン,レーキなどに添加剤として使用される。

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