デボン県(読み)デボン(その他表記)Devon

翻訳|Devon

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「デボン県」の意味・わかりやすい解説

デボン〔県〕
デボン
Devon

イギリスイングランド南西部の県。県都エクセター。1998年にトーベイプリマスが単一自治体(ユニタリー unitary authority)となって分離した。イングランド南部から南西方向に突出する大きな半島の中部を占める県で,北はブリストル海峡,南はイギリス海峡に面する。中央部にわずかに平地が広がるほかは,大部分が丘陵台地からなり,南部に花崗岩ダートムア台地,北東部に砂岩のエクスムア台地がある。この地方は氷河作用は受けなかったが,氷河時代が終わって海面が上昇し,沿岸部が水没した結果,南岸を中心にリアス海岸が形成され,テーマー川,ダート川などの河口部には樹枝状の入江が発達。先史時代の遺跡が多く発見されている。古くから鉱業が行なわれ,12~17世紀にダートムア台地でスズ採掘が盛んであったほか,19世紀までに銀,鉛,鉄,銅,マンガンなどが採掘された。中世には織物工業が発展し,エクセター,バーンスタプルなどの港が織物とスズの積出港として繁栄。主産業は農業と観光業。農業は牧畜が中心で,南東部では酪農,北西部では肉牛飼育,北東部では牧羊が重要。観光業は沿岸部で盛んで,海岸地帯には多くの海浜保養地がある。おもな鉱産物はダートムア台地に産するカオリン。工業部門は伝統工業が中心で,造船手袋羊毛,織物,製紙などの工業が各地立地。面積 6564km2人口 73万1000(2005推計)。

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