化学辞典 第2版 「チオアセタール」の解説
チオアセタール
チオアセタール
thioacetal
メルカプタールともいう.次の一般式で表される化合物の総称.アルデヒドのカルボニル基の酸素を,2個のアルキルチオ基またはアリールチオ基で置換した化合物であり,アセタールの硫黄類似体である.アルデヒドに酸性触媒存在下,チオールを作用させると得られる.不快臭を有する液体(高位のものは固体).酸にはかなり安定であるが,アルカリには不安定である.S原子2個にはさまれた炭素上の水素は,塩基により引き抜かれやすく,カルボアニオンを与え,これはハロゲン化アルキルと反応してチオケタールを与える.ラネーニッケル触媒により脱硫されて,メチレン基をもつ炭化水素に還元される.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報