アセタール(読み)あせたーる(英語表記)acetal

翻訳|acetal

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アセタール」の意味・わかりやすい解説

アセタール
あせたーる
acetal

同一炭素原子が2個のエーテル結合をしたような構造をもつ化合物アセタール類)の総称として用いられる場合と、アセトアルデヒドジエチルアセタール、すなわち1,1-ジエトキシエタンの略称として用いられる場合とがあるが、普通は前者をさす。

 一般にアルデヒドRCHOをアルコールR'OH中で塩酸または塩化鉄(Ⅲ)存在下で加熱すると、ヘミアセタールRCH(OH)(OR')を経てアセタールRCH(OR')2を生成する。低級のアセタールは無色の液体であるが、高級のものは固体である。アルコールやエーテルには容易に溶けるが、水には溶けにくい。有機合成の過程でアルデヒドやヒドロキシ基を保護するために、これらをアセタールに誘導する。水または塩酸と加熱すると容易に加水分解してアルデヒドとアルコールに戻るが、アルカリには安定である。また1,1-ジエトキシエタンは無色の芳香のある液体で、有機溶剤や合成香料の原料として用いられる。

[徳丸克己]


アセタール(データノート)
あせたーるでーたのーと

アセタール
  CH3CH(OC2H5)2
 分子式 C6H14O2
 分子量 118.2
 融点  -
 沸点  102.73℃/771mmHg
 屈折率(n)1.38077

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アセタール」の意味・わかりやすい解説

アセタール
acetal

アルデヒドまたはケトンカルボニル基水酸基との間でできるエーテル結合をもつ化合物の総称。

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