改訂新版 世界大百科事典 の解説
チキータ・ブランズ・インターナショナル[会社]
Chiquita Brands International,Inc.
バナナのブランド,チキータChiquitaで知られるアメリカの総合食品会社。本社オハイオ州シンシナティ。1899年,バナナの輸入販売会社ボストン・フルーツ社(1885設立)と中米のコスタリカでバナナ園経営に成功したキースMinor Cooper Keith(1848-1927)の関連会社十数社が合併してユナイテッド・フルーツ社Uuited Fruit Co.としてニュージャージー州に設立された。その後,中南米でのバナナ園経営を拡大する一方,鉄道,海運,倉庫,保険などの事業に進出,中南米におけるバナナの栽培,輸入,販売をほぼ独占する大植民地企業となった。しかし1952年,グアテマラで同社保有のバナナ園が国有化される動きが起こったとき,アメリカ政府を動かして当時のグアテマラ政府を倒したため,中南米諸国の反発を買った。58年の独占禁止法違反によるバナナの仲買禁止,60年のキューバ革命による資産接収,地元資本によるバナナ生産の拡大などのため経営が悪化したが,60年代初期からの新品種の導入,〈チキータ〉ブランドの設定による商品差別化の成功などにより,60年代後半から再び業績が好転した。70年大手の食肉会社AMK Corp.(1928設立)と合併しユナイテッド・ブランズ社となり,90年現社名。2001年連邦破産法適用を申請し破綻したが,再建計画が認められ,02年再出発した。売上高31億ドル(2004年12月期)。売上構成はバナナ56%,生鮮野菜果物42%など(2004)。
執筆者:北井 義久
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報