チャンフイリエウ(その他表記)Tran Huy Lieu

改訂新版 世界大百科事典 「チャンフイリエウ」の意味・わかりやすい解説

チャン・フイ・リエウ
Tran Huy Lieu
生没年:1901-69

ベトナムの作家,歴史学者。フランス領時代のベトナム北部に生まれ,1922年以後,文学活動を通じて独立運動に参加した。28年ベトナム国民党で活動中逮捕され,34年までコンソン島に流された。36年共産党に加わって機関紙の編集主任,党の広報担当者となった。39年再び検挙されたが,45年3月脱獄してベトミンの地下運動を指導し,同年の八月革命直前に解放民族委員会副主席に選ばれ,革命の蜂起命令第1号を起草した。革命後,臨時政府の情報宣伝相に就任,政府を代表してグエン(阮)朝バオダイ帝の退位式を執行した。インドシナ戦争勃発後は歴史研究に専念し,社会科学委員会副主任,史学院院長に任命され,《歴史研究》誌を創刊,社会主義体制におけるベトナム史研究の基礎を築いた。《抗仏80年史》《ベトナム近代革命史草》の著書がある。60年国会議員に選出され,国会常務委員,南北統一委員会主任の要職にもあった。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

20世紀西洋人名事典 「チャンフイリエウ」の解説

チャン・フイ・リエウ
Tran Huy Lieu


1901 - 1969
ベトナムの小説家,歴史学者。
元・臨時革命政府情報宣伝相,元・国会議員。
ベトナム北部生まれ。
1922年以後文筆活動の傍ら、独立運動に参加。’28年逮捕され’34年までコンソン島に流刑となる。’36年共産党に入党、機関誌の編集主任を務める。’39年再び逮捕、’45年に脱獄後、同年解放民族委員会副主席となり、革命蜂起命令第1号を起草。革命後には臨時政府の情報宣伝相に就任し、グエン朝バオダイ帝の退位式の執行を行う。その後、史学院院長に任命され「歴史研究」を創刊するなど歴史研究に専念。’60年には国会議員に選出され、南北統一委員会主任などを務める。著書に「抗仏80年史」「ベトナム近代革命史」がある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀西洋人名事典」(1995年刊)20世紀西洋人名事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android