ちょぼくさ(読み)チョボクサ

デジタル大辞泉 「ちょぼくさ」の意味・読み・例文・類語

ちょぼ‐くさ

[副]
ちょこちょこと少しずつあるさま。
「―と数多きは回覧するの煩はしきを厭ひ、六部を合して二巻となし」〈風来六部集・序〉
小声で話すさま。ひそひそ
「―とささやいたり抱きついたり」〈伎・思花街容性
口先でたくみに話すさま。口じょうずにとりなすさま。
「―言うても、一向聞かぬ鉄挺かなてこ親父」〈伎・五大力

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精選版 日本国語大辞典 「ちょぼくさ」の意味・読み・例文・類語

ちょぼ‐くさ

〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
① 気ぜわしげにちょこちょこ話すさま、あれこれぺちゃぺちゃしゃべるさまなどを表わす語。ちょっぽくさ。
歌舞伎・傾城暁の鐘(1708)中「ちょぼくさ言って、皆々奥へ入にける」
② こそこそとささやきあうさまを表わす語。ひそひそ。
浄瑠璃・傾城国性爺(1717)二「かぶろはそこらそはそはと、おのが友連(ともつれ)ちょぼくさ笑ふ」
③ 口さき巧みに話すさま、ことば上手にとりなすさまなどを表わす語。
※歌舞伎・心中鬼門角(1710)上「ちょぼくさちょぼくさ咄しやったが、なんぞおかい被成ましたか」
④ 少しずつ分れているさま、あちこちに少しずつあるさまなどを表わす語。
※滑稽本・風来六部集(1780)序「其小冊にして読足らず、且ちょぼくさと数多きは、回覧するの煩はしきを厭ひ」

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