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五大力恋緘 ゴダイリキコイノフウジメ

デジタル大辞泉の解説

ごだいりきこいのふうじめ〔ゴダイリキこひのフウじめ〕【五大力恋緘】

歌舞伎狂言世話物。3幕。並木五瓶(なみきごへい)作。寛政6年(1794)京都西の芝居初演。薩摩(さつま)の侍が大坂曽根崎湯女(ゆな)ら五人を殺した事件を脚色したもので、縁切りから殺しに至る世話物の一典型を確立。通称「五大力」。

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世界大百科事典 第2版の解説

ごだいりきこいのふうじめ【五大力恋緘】

歌舞伎狂言。世話物。3幕。初世並木五瓶作。1794年(寛政6)2月大坂中山与三郎座(中の芝居)初演《島廻戯聞書(しまめぐりうそのききがき)》の三つ目以下を独立させたもの。勝間源五兵衛を初世尾上新七,笹野三五兵衛を7世片岡仁左衛門,弥助を中山文五郎,菊野を初世芳沢いろは。1737年(元文2)大坂曾根崎新地の湯女(ゆな)菊野らが薩摩侍に殺された5人斬り事件を題材とする。この事件は人形浄瑠璃では77年(安永6)大坂初演の《置土産今織上布(おきみやげいまおりじようふ)》,88年(天明8)大坂初演の《国言詢音頭(くにことばくどきおんど)》,歌舞伎では92年(寛政4)大坂初演の《五人切五十年廻(ごにんぎりごじゆうねんかい)》,同年京都初演の《薩摩節五人切子(さつまぶしごにんきりこ)》などですでに劇化されており,本作はそれらをふまえて成立したが,源五兵衛,三五兵衛や江戸上演本(後述)の小万の名は近松門左衛門作《薩摩歌》から採った。

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大辞林 第三版の解説

ごだいりきこいのふうじめ【五大力恋緘】

歌舞伎世話物。初世並木五瓶ごへい作。1794年、京都西の芝居初演。通称「五大力」。薩摩の侍が大坂曽根崎の桜風呂の女ら五人を殺した事件を、五大力のまじないとからめて脚色し、愛想づかしから殺しに至る縁切り狂言の型を確立。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

五大力恋緘
ごだいりきこいのふうじめ

五大力」のページをご覧ください。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

五大力恋緘
ごだいりきこいのふうじめ

歌舞伎(かぶき)脚本。世話物。3幕。並木五瓶(ごへい)作。1794年(寛政6)5月京都・西の芝居初演。1737年(元文2)大坂・曽根崎(そねざき)で薩摩(さつま)侍早田八右衛門(はちえもん)が痴情により湯女(ゆな)菊野ら5人を殺した事件を脚色。初演台本では主人公の名が勝間(かつま)源五兵衛と菊野であったが、翌年江戸で上演したとき、「薩摩歌」の世界を取り入れてヒロインを小万とし、場面も曽根崎から深川に改め、以後江戸ではこれが例になった。紛失した主家の宝刀を詮議(せんぎ)する源五兵衛は、深川の芸者小万が嫌な客笹野(ささの)三五兵衛を避ける方便に、頼まれて恋人のふりをしたことから浪人になるが、小万とは真実恋仲になり所帯をもつ。しかし、小万は宝刀を盗賊三五兵衛から奪い返そうと、彼になびくとみせて源五兵衛に愛想づかし。怒った源五兵衛は女を殺すが、やがて女の真意は知れ、宝刀も手に入る。五大力とは、当時の女が恋文の封じ目に書いて無事先方に着くよう願ったまじないであるが、この作では小万が変らぬ心の誓いに三味線へ五大力と書き、それが三五兵衛によって三五大切(さんごたいせつ)と書き直される趣向。世話狂言の類型である「縁切り」から「殺し」に至る作劇であるが、登場人物の心理の近代的な描写が優れる。書き換え作では五瓶自身の『略三五大切(かきなおしてさんごたいせつ)』、4世鶴屋南北(つるやなんぼく)の『盟(かみかけて)三五大切』が有名。[松井俊諭]
『松崎仁校注『五大力恋緘』(講談社学術文庫)』

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世界大百科事典内の五大力恋緘の言及

【おまん源五兵衛物】より

…初世並木五瓶の歌舞伎狂言《五人切五十年廻(ごにんぎりごじゆうねんかい)》(1792)は,曾根崎新地五人斬り事件を扱った作として初めて主人公を源五兵衛・三五兵衛とするが,これは犯人が薩摩侍だったことによる。五瓶は同じ五人斬りの狂言《五大力恋緘(ごだいりきこいのふうじめ)》でこの命名を踏襲し,これの江戸上演の際には女主人公菊野を小万と改めた。《薩摩歌》では三五兵衛の言号(いいなずけ)の名であるが,音韻上おまんをも連想させる名である。…

【盟三五大切】より

…配役は薩摩源五兵衛実は不破数右衛門・家主弥助を5世松本幸四郎,船頭笹野屋三五郎を7世市川団十郎,芸者妲妃の小万を2世岩井粂三郎(のちの6世岩井半四郎)など。題材は1737年(元文2)に大坂曾根崎で起きた薩摩藩士の5人斬り事件で,初世並木五瓶が94年(寛政6)に書いた《五大力恋緘(ごだいりきこいのふうじめ)》と,これを本人が改作した《略三五大切(かきなおしてさんごたいせつ)》とを基にした書替えである。《東海道四谷怪談》の次の興行なので,その後日譚とし,同様に《忠臣蔵》に関係づけた。…

【五大力】より

…享保期(1716‐36)の歌謡を集めた《吟曲古今大全》に見えるのが最も古い。狂言作者初世並木五瓶は1794年(寛政6)2月初演の《五大力恋緘(ごだいりきこいのふうじめ)》で,芸子菊野が三味線の裏皮に心変わらぬ誓いとして〈五大力〉と書く場面に,地歌の曲節をとり入れて〈めりやす〉として使い,翌年江戸で上演の際は2世杵屋(きねや)弥十郎作曲で,この歌の後半を〈いつまで草のいつまでも〉と歌い出す歌詞に改めて使った。これが長唄《五大力》で,普通〈めりやすの五大力〉と呼ばれる。…

※「五大力恋緘」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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