…褌(ふんどし)1本で走りまわった飛脚や人足,馬丁,駕籠(かご)かきの習俗は,明治時代の労働者に引き続き残っていたし,相撲は国技である。けれどもシュトラッツが特に驚いたのは,民衆舞踊〈ちょんきな〉を観たときで,少女たちが踊りながら脱衣して全裸となり,さらに続けて踊りながら着物を身につけて去った後,観衆がもっぱら舞踊のしぐさを評し合ったが,裸身については一言も触れなかったことだった。彼は1894年の京都美術展に出品された裸婦の絵に当時の人々が示した嫌悪も例にあげて,日本人が高い芸術的感覚をもちながらも,裸に対しては自然人の見地を固守し,裸体の美を理解していないと結論する。…
※「ちょんきな」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」