ちょん(読み)チョン

デジタル大辞泉 「ちょん」の意味・読み・例文・類語

ちょん

[名]
1 《芝居の終わりに打つ拍子木の音から》物事の終わること。「その問題はこれでちょんだ」
2 免職になること。くび。
3 しるしにつける点。ちょぼ。「文中にちょんを打つ」
4 俗に、頭の悪いこと。また、おろかなこと。
「ばかだの、―だの、野呂間だのと」〈魯文・西洋道中膝栗毛〉
[副]
1 拍子木の音を表す語。また、拍子木を打つさま。「ちょんと柝きがはいる」
2 刃物などを用いて一気に切るさま。「花の茎をちょんと刈り取る」
3 動作が敏捷に行われるさま。「石垣にちょんと飛びのる」「文鳥が肩にちょんと止まる」
4 力を入れずに軽く物事を行うさま。「紙飛行機を指でちょんと飛ばす」
[類語](1)終わり・おしまい・終了・完了・完結・終結・終焉しゅうえん・終末・果てし・幕切れ・閉幕・幕・打ち止め・完かん・了りょう・ジエンド・終わりを告げる・終止符を打つ・ピリオドを打つ・ちょんになる/(3)点・ぽち・ぽつ・ちょぼ・黒点こくてん・中黒なかぐろ・ドット/(2)ちょきちょき・ちょきり・ちょきん・ざくり・ざっくり・ばっさり・じょきじょき・ざくざく・すっぱり・さくさく・ざく・ふっつり・ぷつん・ぷっつり・ぶっつり・ぷつり・さっくり

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精選版 日本国語大辞典 「ちょん」の意味・読み・例文・類語

ちょん

  1. [ 1 ] 〘 副詞 〙 ( 多く「と」を伴って用いる )
    1. ① 鋭い刃物などで断ち切るさまを表わす語。ちょきん。〔かた言(1650)〕
    2. ② じっと小さくかしこまっているさまを表わす語。ちょこん。
      1. [初出の実例]「ひな棚にちょんと直りし小猫哉」(出典:俳諧・八番日記‐文政二年(1819)三月)
    3. ③ 何か小さな物が突き出ているさま、ついているさまなどを表わす語。→補注。〔日葡辞書(1603‐04)〕
    4. ④ 程度の軽いさまを表わす語。ちょいと。他の語とともに接頭語的にも用いる。→ちょんぎまり。
      1. [初出の実例]「真先神明(まっさきしんめい)の茶やへいき、ちょんむだなし、きんきんの通り者。芸者一両人牽頭(たいこ)交りに腰うち掛る」(出典:咄本・くだ巻(1777)狐)
    5. ⑤ 拍子木の音、またそれを打つさまを表わす語。
      1. [初出の実例]「尻われのぐっとこまり、ずいにげのぐひはづし、推量違ひの中の丁、打て置(おけ)チョン」(出典:談義本・根無草(1763‐69)後)
    6. ⑥ 能の大鼓の打音の一つ。鼓の中央の少し右を打ち、強大な音を出すもの。符号△で表わす。
  2. [ 2 ] 〘 名詞 〙
    1. ① ( 芝居の幕切れの際に打つ拍子木の音から )
      1. (イ) 物事の終わり。それぎり。
        1. [初出の実例]「どうかこれでおさけはちょんとくぎりの飯(さいこ)をしめるとしやせう」(出典:安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉三)
      2. (ロ) 転じて、免職になること。くび。〔新語新知識(1934)〕
    2. ② ( 形動 ) まともでないこと、頭のわるいこと。つまらないこと。また、そういう人や物やそのさま。
      1. [初出の実例]「ばかだの、ちょんだの、野呂間だのと」(出典:西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉初)
    3. ③ 点のことをいう。印にうつ点、句読点など。
      1. [初出の実例]「雪や氷、冷い氷よ。そら水の上にヽ(チョン)なんだ」(出典:日本橋(1914)〈泉鏡花〉一)

ちょんの補助注記

[ 一 ]③の「日葡辞書」の「チョンギリト」の項には「物が外へ出ているさま、あるいはとがった部分のあるさま」という訳がある。

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