日本大百科全書(ニッポニカ) 「チランドシア」の意味・わかりやすい解説
チランドシア
ちらんどしあ
[学] Tillandsia
パイナップル科(APG分類:パイナップル科)チランドシア属の総称。約400種あり、北アメリカ南部から南アメリカに広く分布する。森林、乾燥地などの樹上や岩上に着生するものが多いが、地上生のものもある。葉は全体が小鱗片(りんぺん)で覆われ、茎の基部にロゼット状をなし、まれに茎に沿って密生するものもある。ウスネオイデス種は根が退化し、銀白緑色の小株が多数連なる。全体が地衣類のサルオガセに似るのでサルオガセモドキの名がある。原産地では荷物の詰め物に使う。シアネア種(和名ハナアナナス)は長楕円(ちょうだえん)形の扁平(へんぺい)な花穂に桃色の包葉をもち、濃紫青色の花をつける。ほかにリンデニー種など、小形で花、包葉ともに美しい種類が、室内園芸に用いられる。
乾燥に強いが、春から秋には十分に水と肥料を与える。日陰にもよく耐え、7~8℃で越冬する。繁殖は株分けによる。
[小西達夫 2019年6月18日]