ちん車(読み)ちんぐるま

精選版 日本国語大辞典 「ちん車」の意味・読み・例文・類語

ちん‐ぐるま【ちん車】

  1. 〘 名詞 〙 バラ科の落葉小低木。北海道、本州中部以北の高山の日当たりのよい湿地に生える。高さ約一〇センチメートル。茎は地をはい、先端部が立ち上がり、葉を束生する。葉は奇数羽状複葉で、九~一一個の小葉からなる。小葉は倒卵状披針形、先端は尖り、長さ六~一五ミリメートルで、縁に不規則な鋸歯がある。夏、茎頂に長さ約一〇センチメートルの花茎をのばし、先端に径三センチメートルぐらいの白い五弁花をつける。多数の痩果の先は花柱が伸びて長い尾状になり、羽状に毛が生える。和名は花が小さく花弁が輪状に配列しているためにつけられた稚児車(ちごぐるま)転訛とも、羽毛状の毛をつけた果実が放射状に出ているさまを子どもの玩具の風車にみたてたものともいう。いわぐるま。《 季語・夏 》 〔物品識名拾遺(1825)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

関連語 名詞

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android