日本大百科全書(ニッポニカ) 「ツツアナナス」の意味・わかりやすい解説
ツツアナナス
つつあななす
[学] Billbergia
パイナップル科(APG分類:パイナップル科)ツツアナナス属の総称。近年、属名のビルベルギアの名で知られる。ブラジル東部を中心に熱帯アメリカに50種以上分布する。着生するアナナスの仲間で、葉の基部は重なり合って筒状になり、ツツアナナスの名がある。日本でわずかに栽培されるベニフデツツアナナスは明治末期に導入された。太い筆の穂のような密穂状花序をつける。包葉は赤色、萼片(がくへん)は桃色、花弁は赤色で先端は青色となる。
ほかに葉に白色の縞斑(しまふ)が入る園芸品種があり、サウンデルシー種やファンタジア種は全葉に点々と黄白色斑があり、観葉種として楽しめる。しかしこの仲間は葉、花ともに美しいが、花は短命で葉は数が少ないため、栽培は多くはない。
[高林成年 2019年6月18日]