日本大百科全書(ニッポニカ) 「ツマベニアナナス」の意味・わかりやすい解説
ツマベニアナナス
つまべにあななす
[学] Neoregelia spectabilis L.B.Smith
パイナップル科(APG分類:パイナップル科)ネオレゲリア属(アナナスの仲間)の多年草。葉は堅く、裏面は暗紫赤色で粉白色の鱗毛(りんもう)が横縞(よこじま)状になる。葉先が爪(つめ)状に紅紫色になるのでツマベニアナナスの名でよばれる。明治末期に渡来し、ネオレゲリア属の代表種であったが、現在はほとんど栽培されない。
ネオレゲリア属はブラジルを中心に、南アメリカに40種以上分布する。本属中で今日よく栽培されるのはネオレゲリア・トリカラーN. carolinae L.B.Smith cv. Tricolorで、これは光沢のある葉を四方に形よく広げ、葉数も多い。緑葉の中央に白黄色の縞が入り、開花期には中央部が紅桃色になり、3色となる。観葉アナナスの代表種で、室内園芸にも向く。じょうぶで繁殖率もよく、5℃以上で越冬する。
[高林成年 2019年6月18日]