改訂新版 世界大百科事典 「ネオレゲリア」の意味・わかりやすい解説
ネオレゲリア
Neoregelia
パイナップル科の植物で,ブラジル東部の熱帯雨林に約40種があり,その多くは着生植物である。葉の基部は互いに巻き重なって浅い筒状になり,水をためている。花序はその水中にあって,開花時に花だけ水面上に出ることが多い。葉縁には細かいが硬いとげがある。ネオレゲリア・カロリナエN.carolinae(Velt.)L.B.Sm.は褐色を帯びた細い緑葉で目だたないが,開花期になると,葉の基部の幅広い筒状部が赤色になり,長期間美しい。繁殖率もひじょうによい。園芸品種のトリカラーcv.Tricolorは葉数も多く,四方に形よく広がる。若苗は鮮緑色で中央に淡黄色の縞斑(しまふ)が入る。開花期には中央の葉が赤くなり,その名のとおり3色になり,何ヵ月も美しい。じょうぶで5℃くらいで越冬し,子苗もよく発生し,観葉アナナスの代表種である。ツマベニアナナスN.spectabilis(T.Moore)L.B.Sm.は,葉先が紅をさしたようにピンク色になる。葉は厚く硬い。1912年ころに導入された古い種類だが,今はあまり栽培されない。ネオレゲリアには原種のほかに,種間雑種によって育成された品種もある。
執筆者:高林 成年
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報