ティランノサウルス(その他表記)Tyrannosaurus

改訂新版 世界大百科事典 「ティランノサウルス」の意味・わかりやすい解説

ティランノサウルス
Tyrannosaurus

白亜紀後期に生存した地上最大の二足歩行の肉食性恐竜。爬虫綱双弓亜綱竜盤目の獣脚亜目Theropodaに属する。体長15mに達し,高さは6mになる。北アメリカとアジアのモンゴルから知られている。頭骨は1.5mの大きさがあり,側方は薄く,上下に高い。二つの大きな側頭窓のほかに上顎骨と前顎骨の間に第3の小さい側頭窓が開く。歯はよく発達し,前後にするどい鋸歯縁がある。前顎骨に4本,上顎骨に12本,歯骨に13~14本の歯が植立している。大きいのは歯先が15cmに達する。腰椎は5本からなる。首の肋骨は小さい。前肢は極度に短縮する。後肢は三趾(さんし)性で強力。大腿骨脛骨より長い。腹部の肋骨は3組の骨が組み合わされている。この種類は肉食性の恐竜としては最も特殊化が進んだもので,1905年に北アメリカのモンタナ州から発見された2体のほぼ完全な骨格をもとに,H.F.オズボーンが命名した。アジアのタルボサウルスと同じ属に含まれる可能性が指摘されていたが別属で,モンゴルでは共存していたことがわかった。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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