改訂新版 世界大百科事典 「テキサコ会社」の意味・わかりやすい解説
テキサコ[会社]
Texaco Inc.
エクソン社,ロイヤル・ダッチ・シェル社,ブリティッシュ・ペトロリアム社に次ぎ,世界第4位の規模を誇るアメリカの石油会社。本社ニューヨーク。テキサス大油田の発見を契機に1901年Texas Co.として設立され,当時圧倒的な支配力を誇っていたスタンダード・オイル・トラストに,独立の会社として競争を挑んだ。設立後10年足らずで,ヨーロッパ市場へも参入し,20年代にはコロンビアとベネズエラに原油生産の拠点を確立して,スタンダード・オイル・グループに対抗しうる力をもった。26年にTexas Corp.と社名を改称。しかし36年にスタンダード・オイル・オブ・カリフォルニア社(通称ソーカル。現,シェブロン社)とともに東半球での共同事業販売会社であるカルテックス社Caltex Petroleum Corp.を設立し,またARAMCO(アラムコ)およびイラン・コンソーシアムに参加して,結局スタンダード・オイル・トラストのメンバーと提携関係に入ることになった。59年現社名となる。同社の原油調達源は著しく東半球にかたよっており,70年代には約半分がサウジアラビアから調達されていた。80年代になって,アメリカのメジャーの原油調達源のアメリカ回帰が進むなかで,同社もアメリカ国内に油田を求めるようになり,84年有力インディペンデント(独立系石油会社)であるゲッティ社Getty Oil Co.を買収した。2001年シェブロンと合併し,シェブロン・テキサコとなった。
執筆者:田中 隆之
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報