テストーリ(読み)てすとーり(その他表記)Giovanni Testori

日本大百科全書(ニッポニカ) 「テストーリ」の意味・わかりやすい解説

テストーリ
てすとーり
Giovanni Testori
(1923―1993)

イタリア作家。ミラノ近郊のノバーテに生まれ、カトリック大学で哲学を修める。絵画研究に打ち込んだのち作家活動に入り、処女小説『ロゼーリオの神』(1954)から、短編集や戯曲などを経て長編小説『大工場』(1961)に至る一連の作品において、ミラノ周辺の下層社会を大胆に方言を取り入れた文体で描き、ガッダパゾリーニに代表される言語実験主義の傾向を示した。その後はカトリシズムに戻り、教訓的な詩や戯曲を発表した。

[林 和宏]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「テストーリ」の意味・わかりやすい解説

テストーリ
Testori, Giovanni

[生]1923.5.12. ノバーテミラネーゼ
[没]1993.3.16. ミラノ
イタリアの小説家。方言を交えた内的独白手法を使って,おもに工業都市問題と,都市周辺の下層プロレタリアートの生活を描く。主著『ギゾルファの橋』 Il ponte della Ghisolfa (1958) ,『アリアルダ』L'Arialda (1961) ,『愛』L'amore (1968) ,『永遠に』 Per sempre (1970) 。

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