テネンティズモ(その他表記)tenentismo

改訂新版 世界大百科事典 「テネンティズモ」の意味・わかりやすい解説

テネンティズモ
tenentismo

ブラジルの下級将校たち(テネンテスtenentes)の改革運動。第1次大戦後台頭した中間層の利益代表として,テネンテスは寡頭支配体制と対軍部政策への不満から1922年に軍事反乱を起こした。軍事反乱を社会革命に転化させようとしたL.C.プレステスの指揮下,反乱軍は全国2600kmを行軍し,運動を全国に拡大した。民族主義的姿勢を強めたテネンテスは資源の国有化,大土地所有制の廃止,中間層の政治参加を主張し,強力な政府の樹立を求めてバルガスに接近した。1930年の革命後,バルガスが臨時大統領になると,テネンテスの一部は政権に参加して政策決定に加わり,権威主義的なバルガス体制を支えた。一方,急進派プレステスの下で人民戦線を結成,バルガス体制打倒の蜂起を行って弾圧された。バルガス政権に加わったテネンテスは軍の主流を構成することになり,64年軍事クーデタにも大きな影響を与えた。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「テネンティズモ」の意味・わかりやすい解説

テネンティズモ
Tenentismo

1920年代ブラジルの革新的な青年将校「テネンテ」 Tenente (尉官) グループによって起された運動。ブラジル近代化の口火となった。 1922年のコパカバーナ要塞での蜂起,24年のサンパウロでの革命,25~27年青年将校 L.C.プレステスらの「長征」など 20年代を通じて活動。青年将校たちの多くは,現代ブラジルの出発点とされる 30年の G.D.バルガスの革命に参加し,バルガス政権による近代化政策に協力し,コーヒー生産者に支配された旧共和制 (1889~1930) をゆるがすうえで決定的な役割を果した。

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