プレステス
ぷれすてす
Luis Carlos Prestes
(1898―1990)
ブラジルの革命家。リオ・グランデ・ド・スール州に生まれ、陸軍士官学校を卒業。1920年代に下級将校の改革運動(テネンティズモ)に加わり、解放軍を率いて全国を行進し、「希望の騎士」と称された。のち当時のソ連を訪れ、1935年にコミンテルンの執行委員会委員に選ばれたのち帰国し、ファシズムとバルガス体制に反対する民族解放同盟の反乱を指揮して捕らえられた。1945年に共産党を再建して上院議員に選出されるが、2年後に党は非合法化され、地下活動を余儀なくされる。1964年の軍事クーデター後一時フランスに亡命したが、準野党ブラジル民主運動(MDB)への共産党勢力の浸透を図るなど、隠然たる指導力を発揮した。
[乗 浩子]
『ジョルジェ・アマード著、神代修訳『希望の騎士・革命児プレステス』(1967・弘文堂新社)』
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プレステス
Luís Carlos Prestes
生没年:1898-1990
ブラジルの革命家。陸軍士官学校卒業後,1924-27年に下級将校の改革運動であるテネンティズモを指揮し,のち共産主義に接近した。35年コミンテルン第7回大会から帰国するや,人民戦線戦術に基づいてバルガス大統領独裁体制打倒の武装反乱を起こしたが,直ちに鎮圧された。45年ブラジル共産党党首に就任するが,党は2年後に非合法化され,64年の軍事クーデタののち,一時フランスに亡命した。
執筆者:乗 浩子
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プレステス
Prestes, Luís Carlos
[生]1898.1.3. ポルトアレグレ
[没]1990.3.7. リオデジャネイロ
ブラジルの軍人,政治家。陸軍士官学校卒業。 1920年代に若手将校の革新運動であるテネンティズモの運動に参加。 1924年「プレステス部隊」という解放軍を組織し,約2年半ブラジル全土を行軍して伝説的な英雄となった。その後ブラジル共産党に入党。 1935年に人民戦線組織である「民族解放同盟」を創設,同年 11月 G.バルガス政権打倒の革命を起こしたが失敗。逮捕,投獄されたが,1945年に釈放され,上院議員に当選。 1947年共産党非合法化後 10年間地下生活。 1964~79年モスクワに亡命。 1980年党書記長解任のうえ党籍剥奪。
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世界大百科事典(旧版)内のプレステスの言及
【テネンティズモ】より
…第1次大戦後台頭した中間層の利益代表として,テネンテスは寡頭支配体制と対軍部政策への不満から1922年に軍事反乱を起こした。軍事反乱を社会革命に転化させようとした[L.C.プレステス]の指揮下,反乱軍は全国2600kmを行軍し,運動を全国に拡大した。民族主義的姿勢を強めたテネンテスは資源の国有化,大土地所有制の廃止,中間層の政治参加を主張し,強力な政府の樹立を求めて[バルガス]に接近した。…
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